【医師監修】酷暑の夏!ケアマネがモニタリング時注意すべきポイントは?
2024年07月25日
連日40度近い気温となっていますが、例年熱中症や脱水症状でご入院されるご利用者様は少なくありません。
ケアマネジャーが夏場のモニタリング訪問時に確認すべきポイントを、医師である浅野涼先生に監修していただき、まとめてみました。
目次
①室温及びエアコンの使用状況
②水分摂取量の確認
③体調の変化時には医療機関への連絡を速やかに行う
④ケアマネジャー自身も熱中症や脱水等に注意する
①室温及びエアコンの使用状況
ご高齢のご利用者様は温度を感じにくくなっていることが少なくありません。そのため、室内が高温になっていることに気づかず、室内でも熱中症を発症するリスクがあります。
また一方で、寒さに対しては敏感になっており、エアコンの冷気が苦手な方もいます。エアコンが苦手な方は、窓を開けて換気することもありますが、気温が40度近くになる場合、窓を開けて換気するだけでは不十分かもしれません。
日中はエアコンを使用している場合でも、夜間はエアコンを使用していないこともあります。夜間のエアコン使用状況も確認すると良いでしょう。
モニタリング訪問時には、室温の確認やエアコンの設定温度を確認することをお勧めします。
②水分摂取量の確認
ご高齢のご利用者様はトイレが近くなることを理由に、水分摂取を控える傾向にあります。また、ご高齢になると喉の渇きを感じにくくなることもあるため、意識的に少し多めに水分を摂取することを考慮しても良いでしょう。
ケアマネジャーがモニタリング時に確認すべきポイントは、1日の水分摂取量、皮膚の乾き具合、口腔内の乾き具合等などがあげられます。
適切なケアマネジメント手法にも水分摂取量の把握の支援についての記載がありますが、基本的ケアの項目の1つになっています。
以下、「適切なケアマネジメント手法の手引き」より引用
③体調の変化時には医療機関への連絡を速やかに行う
熱中症の症状として
- 唇がしびれる
- 大量の汗をかく
- 脈がいつもより早い
- 顔のほてり、赤くなっている
- 呼吸が難しい、過呼吸になっている
- 体温がいつもより高い、熱がこもっている感じがする
等が挙げられます。
特に、呼吸や意識に関して普段と違うとき、あるいは水分がご自身で取ることが難しいときは、速やかに医療機関への連絡をお願いします。
ケアマネジャーのみならず、介護サービス事業所の方が訪問した際には、体調の変化を確認し、異変時には医療機関へ速やかに連絡する等、日頃からの連絡体制を整える必要があります。
④ケアマネジャー自身も熱中症や脱水等に注意する
ケアマネジャーも訪問の際の移動が多く、事業所に戻ってきた時にはエアコンで身体が冷えることになります。事業所とご利用者様宅を行き来することで、外気温との差が激しくなり、身体に負担が掛かります。
ご利用者様宅の場所が近い人をまとめて効率的に訪問に回る等の工夫は普段も行っていると思いますが、普段以上に心掛ける必要があるかも知れません。
【監修医プロフィール】
浅野 涼 先生
経歴
京都府京都市出身
灘中学校灘高等学校を経て
東京大学医学部医学科卒業
現在は医師として在宅診療や
緩和医療に携わりながら、
病院や高齢者福祉施設、
障がい者支援施設、
子ども食堂、支援学校など
での訪問演奏会を
精力的に行っている
あかり在宅クリニック
ピアニスト 浅野 涼公式サイト