トピックス

topics

【9月1日は防災の日】ケアマネジャーが実践したい!防災計画と事前確認の秘訣

コラム

2024年08月29日

防災の日とは、昭和35年(1960)6月11日に閣議により決定された防災の啓発を目的とする日です。
9月1日が防災の日になったのは、関東大震災が発生した日であるとともに、台風シーズンを迎える時期でもあるというのが大きな理由として挙げられています。
この災害の危険性が増す時に地震や風水害等に対する心構え等を育成するため、防災の日が創設されました。(東京消防庁サイトより

高齢者の方が増えている現代では災害が発生した際、特に重要な役割を担うのがケアマネジャーです。ご利用者様の安否確認やニーズの把握など、多岐にわたる業務を実行しなければなりません。
ですので、今回はケアマネジャーが実践する効果的な防災計画と事前確認の秘訣について解説します。

ケアマネジャーにとって、災害時の防災計画はご利用者様の安全と健康を守るために非常に重要です。
ご利用者様の安否確認や必要な介護サービスの提供など、多岐にわたる役割を担っており、災害時においても迅速かつ的確な対応をするためには事前の準備が求められます。

災害時におけるケアマネジャーの役割は、まずご利用者様の安否確認が最優先です。
ご利用者様が無事であることを確認した後、そのニーズを把握し、必要な介護サービスを迅速に提供することが求められます。
また、関係各所との連携も重要です。例えば、緊急連絡先への通知や、他の介護施設との協力関係を事前に築くことが必要です。このような連携がないと、災害時の混乱を最小限に抑えることは難しいでしょう。急を要する場合でも、最善の対応を選択するためには日頃からの事前準備が欠かせません。

BCP(事業継続計画)の作成

居宅介護支援のBCPは、自然災害や感染症の流行などの緊急事態が発生した際に、介護サービスを中断させず、または中断したとしてもできる限り短時間で復旧させるための計画です。
自然災害の際のBCPを作成する際には、基本事項、平常時の対応、緊急時の対応、他施設や地域との連携などの記入事項があります。下記では簡単に基本事項、平常時の対応、緊急時の対応を抜粋して説明しています。


総論
総論は、BCP全体の基本方針や推進体制、リスクの把握、優先業務の選定、研修・訓練の実施計画などを包括的に記載する部分です。これにより、BCPの全体像を明確にし、計画の実効性を高めます。
平常時の対応 
平常時の対応は、緊急事態が発生する前に行う準備と対策を指します。具体的には建物の安全対策、電気やガス、水道が止まった場合の対応などが含まれます。これらの準備を通じて、緊急時に迅速かつ適切な対応ができるようにします。
緊急時の対応
緊急時の対応は、自然災害や感染症の流行などの緊急事態が発生した際に、迅速かつ適切に対応するための具体的な手順や対策を指します。これには、BCPの発動基準、行動基準、対応体制、重要業務の継続などが含まれます。

個別避難計画の作成

個別避難計画は、ご利用者様一人ひとりのニーズに対応するために非常に重要です。
ケアマネジャーは、ご利用者様の身体状況や生活環境を把握した上で、最適な避難経路や避難先を明確にする必要があります。また、避難計画には、避難時に必要な医療機器や薬品も含めることが大切です。こうした計画を立てることで、災害時にも安心してご利用者様を支援できる体制を整えることができます。

ご利用者様の安否確認対策

災害時に最も大切なのは、ご利用者様の安否を確認することです。
ケアマネジャーは、ご利用者様と緊急連絡先を定期的に確認し、非常時には迅速に連絡が取れる体制を整えることが求められます。また、災害時の通信停止に備え、緊急連絡網の見直しや、非常用通信手段の準備も重要です。
安否確認が迅速に行われることで、適切な支援を速やかに提供でき、ご利用者様の安全を確保することが可能になります。

防災計画の継続的な見直し

災害はいつ起こるかわかりません。そのため、ケアマネジャーは防災計画を継続的に見直すことが重要です。災害時の介護支援専門員として、ご利用者様の安否や現状を確認し、ニーズに応じた介護サービスを提供する役割が求められます。このため、計画には新しい課題やリスクを見落とさないよう、定期的なレビューとアップデートを行いましょう。

具体的には、避難経路の再確認や訓練の実施、職員とご利用者様のリスク管理などを行います。このような取り組みが、非常時において冷静かつ迅速な対応を可能にし、皆の安全を守ることにつながります。

ケアマネジャーへの期待

今後、ケアマネジャーにはさらに高度な防災スキルと判断力が求められます。特に災害発生予期として、停電や断水、通信停止などのチェックポイントを事前に確認し、対策を練ることが大切です。非常時には急を要する状況が多発しますが、その中でも冷静な判断を下すための準備が必要です。

また、関係各所との連携を強化することも重要です。適切なタイミングで必要な支援を受け取るためには、平時からのコミュニケーションと信頼構築が欠かせません。これからもケアマネジャーの皆さんがご利用者様の安全と健康を守るため、一層の努力と工夫が期待されます。