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【カスハラ】ケアマネジャーが直面するカスハラの実態と対策

コラム

2024年09月13日

カスタマーハラスメントの現状
 ケアマネジャーとカスタマーハラスメントの現状
 ・カスタマーハラスメントの定義と特徴
 ・カスタマーハラスメントの実態
カスタマーハラスメントの具体例
 ・よくある事例とその影響
カスハラに対する対策
 ・対応マニュアルの策定
 ・社内で情報共有
まとめ

ケアマネジャーとカスタマーハラスメントの現状

ケアマネジャーは、要介護者の生活を支えるために重要な役割を果たしています。しかし、近年その業務が様々な困難に直面していることが報告されています。その中でも特に深刻なのがカスタマーハラスメント、通称「カスハラ」の問題です。

カスタマーハラスメントの定義と特徴

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、顧客や利用者、またその家族などが提供者に対して行う不当な要求や嫌がらせ行為を指します。具体的には、過剰なクレーム、無理難題の押し付け、暴言や中傷といった行為が含まれます。

カスタマーハラスメントの実態

2024年8月30日に介護職の労働組合「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)」が行なったアンケート結果によれば、直近2年以内に利用者・家族から何らかのハラスメントを受けた割合は26.8%にものぼりました。またハラスメントの内訳としては理不尽な要求や苦情、暴言などの「精神的暴力」が74.2%で最多という結果となった。

 このようなカスハラの問題は、介護サービスの質を低下させるだけでなく、ケアマネジャーの精神的な負担を増大させ、職場環境を悪化させる要因となっています。厚生労働省の指針でも、事業主には労働者がカスハラによって就業環境を害されないよう配慮する責任があるとされています。

よくある事例とその影響

ケアマネジャーが直面するカスタマーハラスメント(カスハラ)の具体例としては、口頭での威圧や、不適切な要求や過剰な要求、無理な時間外対応の期待などが挙げられます。

例えば、ご利用者様から「もっと早く何とかしてほしい」、「介護保険の給付が難しい場合でも困っているから特別に対応してほしい」といった無理な要望が入り、ケアマネジャーがこれに応じざるを得ない状況が生まれることがあります。

またご利用者様からだけではなく、ご利用者様の家族からも精神的な苦痛を受けることがあります。具体的には毎回同じ内容のクレームを長い時間にわたって言われたりする執拗なクレームが挙げられます。

対応マニュアルの策定

厚生労働省の指針によれば、事業主は雇用する労働者がカスタマーハラスメントによって就業環境を害されないように配慮する義務があります。

まず、事業所内でハラスメントに関する指針の整備、委員会や研修会の開催をすることが挙げられます。これにより、具体的な行動指針や対応手順を明確化し、ケアマネジャーやその他のスタッフが安心して業務に専念できる環境を整えることができます。その際、法的な視点からも適切な対応を確保するために、法務部門や専門の法律相談機関と連携することが望まれます。

社内で情報共有

また1人のケアマネに負担を生じさせないように社内で情報共有をすることも重要です。そうすることでハラスメントにつながりかねない不当要求や迷惑行為をいち早く発見することができます。

具体的な方法としては社内で週一回ミーティングを設けて、相談できる環境を作っていくことが挙げられます。また日頃から職場での頻繁なコミュニケーションを取ることでハラスメントを早く見つけ、対処できる体制を整えることができます。

 ケアマネジャーは、要介護者の生活を支える重要な役割を担っています。ケアマネジャーの仕事は多岐にわたり、介護サービス等の調整や利用者の相談に応じることが義務となっています。しかし、アンケートによれば、4人に1人がハラスメントを経験しており、その影響で業務に支障をきたす場合も少なくありません。これらのことから、今後もケアマネジャーを増やすために対策が非常に重要であると言えます。