【ケアマネ試験合格者必見!】ケアマネの新規依頼から給付管理までのケアマネジメントプロセスを徹底解説
2024年11月14日
はじめに
本日はケアマネジメントプロセスについて解説をさせていただきます。
既にケアマネジャーとして業務についている方であれば日々の業務で実践されていることかと思いますが、初めてケアマネジャー業務につかれる方もいるかと思いますので改めてケアマネジメントプロセスについて解説をさせていただければと思います。
新規の依頼(インテーク)
まずはじめにケアマネジメントプロセスについては、ご利用者様から依頼を受ける新規の依頼(インテーク)があります。多くの場合は地域包括支援センターや入院されてる病院からご依頼を受けて、ケアマネジャーとして担当させていただくことになると思います。また、直接ご利用者様のご家族から依頼を受けるということもあります。
はじめの相談に関しては電話が多く、そこで年齢や性別、介護度、持病などといった概要やどういったサービスを希望するか等を伺います。この段階でおおまかな状態像を掴んでおくとその後のケアマネジメントに役立つでしょう。この上で初回アセスメントの日程を決めることができるとスムーズな支援につながります。
アセスメント
続いてアセスメントになります。アセスメントに関しては、運営基準にて「自宅を訪問すること」「ご利用者様と面接を行うこと」が義務付けられております。自宅以外での面接やご利用者様が不在でご家族様とのみ面接を行うなどは、運営基準上アセスメントと認められず、運営基準減算という減算の対象になりますので、注意が必要です。
※入院中に限り病院でのアセスメントが認められていますが、アセスメントには家屋状況の確認もありますので、退院前等に家屋調査を行っておくことも大事なポイントです。
そしてアセスメントにおいては、ただ話を聞くだけではなく、専門職として最低限確認しなくてはいけない項目が定められています。それを課題分析標準項目の23項目と呼びますが、23項目を網羅していないと運営基準減算の対象になりうるので注意が必要です。
初回アセスメントで情報収集する時のポイントですが、最低限初回のケアプランを作る際に必要な情報収集は必要です。インテークと同じような内容にはなるのですが、介護度、ご本人の意向、ご家族の意向、本人のADL、障害高齢者の日常生活自立度、認知症高齢者の日常生活自立度、お薬情報のことなどを情報収集し課題分析を行います。
ケアプラン原案作成・サービス調整
アセスメントの次のステップは、ケアプラン原案の作成やサービス調整になってきます。アセスメントで情報収集した内容をケアマネジャーが課題分析を行い、課題の抽出を行います。その上で課題(ニーズ)を踏まえ長期目標、短期目標を立案します。ニーズ・長期目標・短期目標を踏まえ、それらを達成するための介護サービス内容や頻度を考えていきます。
ここで大事なのがケアマネジャーが作成するのは、あくまでケアプランの原案になります。この原案を作成してサービス担当者会議においてこのケアプラン内容で問題ないということを、介護サービス担当者様やご利用者様、ご家族様に確認し、同意を得て初めて確定されたケアプランが完成します。
同意を得たケアプランは速やかにご本人様、介護サービス担当者へ交付が必要となります。
サービス担当者会議
ケアプラン原案を作成しサービス調整を行った後は、サービス担当者会議を行うのが次のステップになります。サービス担当者会議においては介護サービス担当者・ご利用者・ご家族様などへ連絡を取り、日程調整して日にちを決めます。
またサービス担当者会議にどうしても来れない場合は、照会という方法で意見照会を行います。意見照会については、FAX等で行うことが多いですが、電話やクラウド等を通じて行う事もあります。サービス担当者会議の場所は基本的には自宅で行うことが多いですが、運営基準上の開催場所は自宅に限定されていないというところも大きな特徴です。テレビ電話装置等を通じてオンラインでの開催も認められています。
ケアプラン原案の説明をして、現在の課題は何か、このサービス内容で問題ないか、新たに課題になることはないかということを共有します。繰り返しになりますがケアプランの内容に同意を得た際には署名をいただき、そのケアプランをご利用者様、各サービス担当者に交付します。また介護サービス担当者に交付するケアプランに関しては署名入りのものでなくても構わないというような通達も出ています。
ケアプラン交付を受けると各サービス担当者はそれぞれ訪問介護計画書や通所介護計画書などの個別サービス計画書を作成しケアマネジャーに交付することが義務付けられています。この訪問介護計画書や通所介護計画書などに沿ってサービス提供を行なっていきます。
このサービス担当者会議の場にケアプラン原案の他にサービス利用票、サービス提供表などを印刷して持っていって、交付します。
モニタリング
サービス提供開始後はモニタリングという業務を行い、利用している介護サービスが支障なく行われているか、ご利用者様の状態に変化はないか、新たな課題はないか、介護状況に変化はないか、目標の達成度合いはどうか等を自宅を訪問してご本人様に面接をして確認していきます。 これも運営基準上、「自宅訪問をすること」「ご本人様と面接を行うこと」は義務づけられていますので注意しましょう。
※令和6年介護報酬改定より一定の要件を満たした場合は、2か月に1回はオンラインモニタリングを行うことが可能となりました。その場合は翌月の利用票を2部印刷して、1部はご利用者様控えで、もう1部はケアマネ事業所控えという形でご自宅に持っていきましょう。
またモニタリングを行ったら必ずその記録をつけて、翌月の提供表をサービス事業所に交付するということを行っております。
給付管理業務
このモニタリングが終わり月末になると、給付管理という業務があります。それぞれのサービス事業所から今月はこれぐらいサービスの量を使いましたということが実績という形でその月の報告書と一緒に送られてくることが多いです。福祉用具とかであれば少し早い25日から30日ぐらいで実績が上がってきます。訪問系サービスの場合には比較的実績の内容が細かいので、月末ギリギリもしくは翌月の月初にに送られてくることが多いです。
その実績を全てのご利用者様の分をいただきまして、利用した分の実績を1という形で記載し全ての入力が終わると、翌月の10日までに国保連に伝送するという業務を行っています。大体このような形でケアマネジメントプロセスというのが行われております。
また、ケアプランの内容に変更がある場合は再アセスメントから行い、利用者さんの状態を再度確認して新しいケアプラン原案を作成。サービス担当者会議をして、モニタリングを実施するこのケアマネジメントプロセスをご利用者様ごとに繰り返していきます。